まさの森・動物病院
MASA-no-MORI Pet Clinic
-石川県金沢市の動物病院-

まさの森動物病院は、犬猫、エキゾチックアニマル診療・予約診療・往診を行う石川県金沢市の動物病院です。

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鳥類の症例紹介

名古屋コーチン

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※傷口の写真が生々しいので、苦手な方はご注意ください。

先日、名古屋コーチンさんが来院しました。
ペットショップの雌鳥なのですが、同居している雄鶏さんにつつかれたようで、右羽の裏に5センチほどの穴があいていました。

傷口から細菌感染したようで、皮と肉が剥離している状態でした。傷口から穴ぼこ状に開いた穴を覗くと、剥離した部分が袋状に広がっており、「鳥ムネ肉」がつるりと見える状態でした。
そんな状態であるため、本来あるべき位置に肩を維持できず、負傷した右肩だけ下方へ落ちています。

それでもコーチンさんは毎日元気にごはんを食べ、卵まで生んでいるというのですから、すごいですね。

急いで傷口の洗浄と点滴、投薬を開始。
経過は良好で、縫合もかんがえていたのですが、現在はきれいに治癒しました(写真右)。
羽も本来の位置に維持できるようになり、表情も違ってみえますね。なんだかキリッとした印象です。

ペットショップの方は遠方から熱心に通院してくださいました。
目の前にいる動物たちのことを大切に思う気持ちは、多くの飼い主さんと同じでした。

ショップの店員さんたちに毎日かわいがられて、益々元気になることを願います。

烏骨鶏のおじいさん

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先日、無事に退院していった、10歳のおじいさん烏骨鶏さんがいます。
片方の目が腫れた為に、餌までの距離が掴めず見当違いな場所を突いている、また、元気がないという主訴で来院されました。
診察の結果、上部感染症により慢性的に副鼻腔炎になっていたようです。その結果、鼻が完全につまり、常に口を開いて呼吸しています。
そして来院のきっかけとなった「目の腫れ」は、内部に留まっている細菌が目にまで広がったと考えています。

遠方の方であったこともあり、入院治療となりましたが、毎日の点滴と内服薬と点眼薬を継続したところ無事回復し、先日帰宅となりました。
今も自宅でお薬の飲水投与を続けていますが、現状維持できているとのご報告を頂き、嬉しい限りです。

エキゾチックは体調の悪さを、ギリギリまで気づかせないものです。
それは、弱肉強食の自然界に生きる動物の本能なのでしょう。
自然界では「弱そうな奴」はすぐに「強者の補食対象」にされてしまうからです。自然界での立場が弱者(被捕食者)であるほど、死ぬ間際まで平静を装うのです。
これまで入院した「食欲のない鳥さん」はみな、僕たちが見に行くと一生懸命食べるふりをしています。
「わたし、体調万全ですから!食べようったって、逃げちゃうから狙っても無駄よ!」
といわんばかりに餌をつつくのです。しかし体重をはかってみると、必要量を食べていない、と分かるのです。

自然界の厳しい「おきて」が動物を功名にさせるのでしょうね。

鳥さんのお話 〜胃がんのリスク〜

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今日は鳥さんの予防に関するお話をします。

先日セキセイインコさんが来院されました。
便検査を行った結果、病原性のあるカビの一種が検出されました。おそらく幼少期に親鳥から感染したと思われます。
このカビはセキセイインコでは比較的多くみられるものですが、見つけた場合は、カビ退治を推奨しています。

鳥さんの免疫機能が正常に働いている時は症状はみられませんが、加齢や病気などにより免疫力が低下してくると、悪さをし始めます。
例えば、胃炎を引き起こしたり、場合によっては胃に穴があいてしまうこともあるのです。
さらに、このカビは胃がんのリスクを高めるものなのです。

ですから症状が出ていなくても、発見したらやっつけるに限ります。
転ばぬ先の何とやら。

今回のセキセイインコさんは約1ヶ月間、自宅にて投薬を続け、現在カビは発見されていません。

防げる病気は未然に防ぎたいものですね。
元気な時でも年に1〜2度はぜひとも健康診断を受けてみてくださいね。

※来院される際は、脱走防止と温度管理などに配慮してください。方法等に心配がある方は病院までご連絡ください。

ヨウムの腫瘍切除 元気が一番!

ヨウム
今日は喉に大きな腫瘍ができてしまった「ヨウムさん」のお話をします。

年齢10歳、オスのヨウムさん(大型のインコ)で、普段は色々なお話や歌を披露して飼い主さんを楽しませてくれているようです。

診察中も入院中も、本当に優しい性格の子で、処置に手間取るということはありませんでした。あんまり可愛いのでついつい遊んでやりたくなるような癒し系な性格の子です。

そんな愛らしいヨウムくんですが、見ての通り、喉に大きなこぶができています。
幸いにも「そのう(食道の一部が膨らんだもの)」を絡んだものではなかったのですが、これを切除するというのは、大きなリスクが伴います。亡くなってしまう危険性も大いにあったのです。

ヨウム君に深い愛情を注いできた飼い主さんは、決断することが本当に恐かったと思います。
でも、僕たちを信じて大切な命を託して下さいました。

手術当日、ヨウム君を預けて病院を去る時の、飼い主さんの泣き出しそうな横顔が、心の中にある不安の大きさを物語っていました。



手術中、ヒヤっとする瞬間もありましたが、ヨウム君は見事、手術に耐えて帰ってきてくれました。
次の日からごはんを食べてくれてすぐに退院となりました。

術後の経過も大変順調で、とても嬉しく思っています。

やっぱり元気が一番!
喉元がスッキリして益々ハンサムなヨウムくん。
いつか歌声やお話している声を聞いてみたいです。

鳥さんの鉛中毒

鳥
鳥さんはきらきら光るものが大好き。

アクセサリーなどのキラキラしたものを突ついたり、おもちゃについている金具を突ついて遊ぶ行動を目にしたことのある人は多いと思います。

好奇心旺盛にあちこち探索しては突ついて遊んでいる姿は可愛いものですが、注意しなければならないことがあります。
それは、誤飲。
どんな動物でも誤飲の危険性に注意を払う必要はありますが、とりわけ鳥さんで注意したい誤飲が「なまり」の誤飲です。

実は、鉛は案外私たちの暮らしの中によく使われているものなのです。
例えばカーテンなどに使われる「おもり」、釣り道具のおもり、ケージの塗料などちょっとした金属製の金具なんかにもよく使われています。

そして、鳥さんの咬む力は自分たちがおもっているより強く、また鋭いため、金具をツンツンして遊んでいるうちに鉛を体内に取り込んでしまっているということがあります。

鉛中毒の診断は、症状とレントゲン検査で診断します。
血液中の鉛濃度を測定する方法もあるんですが、30gの小鳥さんには採血自体がなかなか困難な場合も多いので、一般的ではありません。
最初は案外元気なんですが、日を追うごとに元気や食欲がなくなってきます。


僕が鳥の臨床を勉強する前はこんな病気は教科書でしかみることのできない、過去の病気だとばかり思っていました。
しかし、実際に鳥の診療をすると、鉛中毒はごく一般的にみられる病気の一つでした。
それどころか、「鳥の臨床をする先生は鉛中毒の治療に必須の解毒剤を持っていないと鳥の臨床医ではない」といわれるくらい、鳥を診るドクターにとっては最もポピュラーな症例の一つなのです。

「おもちゃでよく遊ぶ子なんですが、最近だんだん元気が無くなってじっとしている」なんていう症状のある方はすぐさま病院へ受診されることをお勧めします。早い対処が鳥さんの明暗を分けます。

それではみなさん、今日もジメジメしていますが、元気に過ごしましょう!

セキセイインコの骨折

インコ
今回の病気の動物さんはセキセイインコさんです。
高いところから飛び降りてから、脚が着かずあげたままにしているとのことで来院されました。

みたところ、右足が内出血して赤黒くなっていました。さらに、その出血のせいで、あしはポンポンに腫れ上がっていたのです!

すぐにレントゲン写真を撮影することに。

写真をみてみると・・・
人でいう「すねの骨」が折れていました。

手術という選択肢もあるんですが、飼い主さんの希望もありギブス固定でやってみることに。

1ヶ月後、普通に歩けるように回復し、レントゲン写真で確認してみると、骨もくっついていました!

ギブス固定では手術より綺麗にはくっつきませんが、普段の生活には支障がないくらいまで改善することが多いです。

鳥さんも状況によっては高いところから落ちると骨が折れてしまいます。今回の鳥さんは発情中を繰り返し、卵を産んでいたため低カルシウム血症となり骨がもろくなっていたようです。
(卵の殻の主な材料はカルシウムです。自分の骨を溶かして殻をの材料を調達するのです。)

鳥さんの発情はいろいろな病気を引き起こしますし、そうじゃなくても体にかなりの負担がかかります。発情をさせないように飼育することがこれらの病気を予防し長生きする上で非常に重要だと、僕は考えています。

発情をさせない飼い方は・・・長くなるのでまた今度の機会に!

セキセイインコの疥癬症

セキセイインコ
今回ご紹介するのは、“疥癬(かいせん)”というダニに感染してしまったセキセイインコさんのお話です。

疥癬症は人間でもおこりうる病気です。疥癬というダニは肉眼で確認できないくらい小さなダニなんですが、皮膚の中にトンネルを掘ってその中で生活している のです。人間や犬猫の疥癬症ではかなり強いかゆみがありますが、セキセイインコさんでは全部が強いかゆみがあるわけではないようです。

このセキセイインコさんは他の病院から転院されてきました。その病院ではビタミン不足によるものだと診断されビタミン剤をずっと飲んでいたのですが、全く改善せず当院を受診されました。受診された時点でかなり進行しており、控えめに表現してもちょっとひどい状態でした。

疥癬症はその独特な皮膚の状態(軽石状の皮膚の増殖)から簡単に診断できます。(この写真をみたら、みなさんもすぐに診断できるのではないでしょうか)

多くは4、5回通院してもらえば、綺麗になおるんですがこの子はその倍の通院が必要になりそうです。途中経過ですが、かなり綺麗に治ってきてほっと一安心です。

セキセイインコのペローシス

セキセイインコ
今回ご紹介するのはペローシス(脚弱症や腱はずれなどともいわれます)という病気になってしまったセキセイインコさんをご紹介します。

この病気は生まれつきの病気で、かつてはいろいろな栄養不足が原因ではないかと言われてきましたが、現在はそれらの栄養状態を解消してもペローシスになってしまう雛が生まれてくることから遺伝的な問題ではないかと言われています。
写真にあるように、後ろ足が開脚した状態になってしまい胸で全体中を支えるような姿勢になってしまいます。そのため、このままだと成長に伴い胸の骨がつぶ れてしまい、呼吸に問題が出てきてしまいます。そういう問題が起こらないとしても、自分で自由に歩くことができず飼育していくとなると飼い主さんの負担も 大きいものとなります。

生まれつきの病気ではありますが、発見が早ければ矯正で多くは改善します。テーピングによって正常な姿勢を保てるように脚を矯正するのです。この子も約 1ヶ月間矯正テーピングをしてここまで立ち上がれるように改善しました。まだまだ不安定ですが、動物達の適応力は私たちが想像する以上にすごく、あとは筋 力がついてくれば普段の生活に支障がないレベルにまで改善してくれます。

足が痛くてうまく歩けない鶏さん

鶏
今回ご紹介するのは足が痛くてうまく歩けない鶏さんのお話です。

この鶏さんはおとついまで元気だったのに、急に右足にうまく体重がかけられなく、痛そうにして歩いているとのことで来院されました。元気食欲もいつもより無くて、飼い主さんも心配しておられました。その飼い主さんの不安な表情、何とか良くしてあげたいという想いからこの鶏さんがとても可愛がられているのが伝わってきます。

うまく足が着かない原因はいくつかあります。関節炎、感染、骨折、脱臼などです。今回は、診察室に鶏さんが入ってきたときに独特なにおいがしました。僕た ちは比較的慣れているのですが、どこか化膿しているときにこのようなにおいを感じることがあります。おそらく感染によるものではないか、と思い触診と視診 をしてみると、右足の関節が腫れて膿がでていました。

一応、レントゲン検査をして骨折や関節炎がないことを確認して抗生剤の注射と内服を処方しました。鶏さんにお薬を飲ませるのはなかなか大変なことだと思いますが、飼い主さんにも頑張ってもらい無事、今回も事なきを得ることができました。

僕たちは直接動物達の治療をすることもあるのですが、その動物達と飼い主さんが治療するのをサポートするところも非常に多いのです。通院の場合、動物達を連れてくるのも飼い主さん、投薬を含めた看病をしてもらうのも飼い主さんなのです。

オカメインコの糖尿病

20170423

今回ご紹介するのは、糖尿病になってしまったオカメインコさんのお話です。

糖尿病は皆さんも聞いたことがある病気の一つだと思いますが、人だけの病気ではなく、これもまたいろんな動物種で報告がされています。僕が経験しただけでも、犬、猫、ハムスター、セキセイインコ、オカメインコなどで確認されています。

鳥に関しては他にもいろいろな鳥種で報告されていますが、多いのはセキセイインコとオカメインコです。

血糖値のコントロールは概ね二つのホルモン、下げる作用のインスリンと上げる作用のグルカゴンのバランスで成り立っています。人はインスリンによる血糖値のコントロールが優位で全体の70%に及びますが、鳥の場合は逆でグルカゴンによるコントロールが優位とされています。

なので、鳥の糖尿病の場合は、人や犬や猫みたいにインスリンを注射して血糖値をコントロールするような症例ばかりではありません。むしろ、そういった症例の方が少ないと思いますし、実際に飼い主さんが毎日インスリン注射を鳥にするのは無理だと思います。

まだまだ、分かっていない所も多いのですが、鳥の糖尿病の治療は内服による血糖値のコントロールをメインとしています。血糖値を毎日計測するのも困難なので、モニタリングも大変ですが尿の中にどれぐらい糖分が含まれているか、体重の増減をみながら治療をしていきます。


コザクラインコの熱中症

20170419

今回ご紹介するのは、熱中症になってしまったコザクラインコさんのお話です。

熱中症は人間も含め身近にある病気の一つなので、どういう病気なのかご存知の方も多いと思います。人間や犬などでみられる熱中症とは異なり、鳥の場合は冬場や季節の変わり目、保温器具による過剰な室温の上昇が原因で発生することが多いように思います。

病気の鳥さんの場合も注意が必要で、保温した方が良いということをご存知のかたで過剰に保温しすぎて、病院までの移動中に熱中症になってしまうこともあります。

熱中症になった場合の症状としては、口を開けて呼吸したり、翼や足を広げて体温を下げようとしたりします。発見が遅れてしまうと、重度の脱水症状から虚脱、痙攣を起こし死亡してしまうこともあります。

今回のコザクラインコさんも、4月中旬の時期、予想に反して昼間に暖かくなったにも関わらず保温器具を使用したままの状態だったようです。帰宅してみてみると上記の様な症状がみられぐったりしていました。

早めの対応で事なきを得ることができました。
保温器具を使用される場合は、出来ればサーモスタットを併用された方が良いと思います。


皮膚が裂けてしまったキンカチョウ

20170412

今回ご紹介するのは、猫に襲われてしまったキンカチョウさんのお話です。

当院に来院される飼い主さんは2種類以上の動物を一緒に飼われているかたが比較的多いと思われます。基本的には異なる動物種はお互いに幼少期から一緒であれば順応して仲良く暮らす事ができる場合もありますが、片方が大きくなってからだとなかなか順応するのが難しいことが多いように思います。

特に問題となるのが、自然界での食物連鎖で上下関係にある場合です。
具体的には今回の「猫と鳥」のように、肉食動物と捕食される側である小動物の関係でトラブルがおこります。

猫の口の中や爪にはいろんなばい菌がいます。攻撃された時にその菌が傷口に入りますが、それが小さな動物の場合は致命傷になることもあります。

今回のキンカチョウという鳥は体重10g程度と、とても小さく猫に襲われたらひとたまりもないかもしれません。かろうじて致命傷を裂ける事ができたというところでしょうか。それでも、お腹から膝にかけて皮膚が裂けてしまいました。

裂けてしまった皮膚を縫合して、抗生剤を投与・・・出来る事はしました。この子の生命力にかけるしかありません。


セキセイインコの腹部ヘルニアと卵閉塞

20170329

今回ご紹介するのは、卵が二つ詰まってしまったセキセイインコさんのお話です。

鳥を飼われているかたはご存知の方も多いとは思いますが、雌の鳥は伴侶がいなくても無精卵を産む事があります。
そして、発情と産卵を繰り返すことで腹筋が裂けて内臓が出てきてしまう病気、「腹部ヘルニア」という病気があります。

これになってしまうと、お腹が膨れて来てしまいます。

それ以外に症状がないこともありますが、場合によっては致死的なイベントが起こる事もあります。

例えば、腸閉塞です。裂けた場所に腸管が落ち込んでしまいねじれてしまうと便が出なくなって急死することがあります。

また、今回のように卵管が落ち込んでしまうと卵管が蛇行したり折曲がったりしてスムーズに出産が行えず、卵詰まりになってしまうことがあります。

今回は無事に二個とも手術なしで摘出することができましたが、開腹手術をしなければならない場合もあります。

何度もお話してはおりますが、基本的には発情しないような飼育環境を整えてあげる事が大切なのかなと思います。(なかなか難しいですけどね・・)


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