

まさの森・動物病院
MASA-no-MORI Pet Clinic
-石川県金沢市の動物病院-
まさの森動物病院は、犬猫、エキゾチックアニマル診療・予約診療・往診を行う石川県金沢市の動物病院です。
診察は完全予約制です。ご来院前にお電話ください。
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今回ご紹介するのは、糖尿病になってしまったオカメインコさんのお話です。
糖尿病は皆さんも聞いたことがある病気の一つだと思いますが、人だけの病気ではなく、これもまたいろんな動物種で報告がされています。僕が経験しただけでも、犬、猫、ハムスター、セキセイインコ、オカメインコなどで確認されています。
鳥に関しては他にもいろいろな鳥種で報告されていますが、多いのはセキセイインコとオカメインコです。
血糖値のコントロールは概ね二つのホルモン、下げる作用のインスリンと上げる作用のグルカゴンのバランスで成り立っています。人はインスリンによる血糖値のコントロールが優位で全体の70%に及びますが、鳥の場合は逆でグルカゴンによるコントロールが優位とされています。
なので、鳥の糖尿病の場合は、人や犬や猫みたいにインスリンを注射して血糖値をコントロールするような症例ばかりではありません。むしろ、そういった症例の方が少ないと思いますし、実際に飼い主さんが毎日インスリン注射を鳥にするのは無理だと思います。
まだまだ、分かっていない所も多いのですが、鳥の糖尿病の治療は内服による血糖値のコントロールをメインとしています。血糖値を毎日計測するのも困難なので、モニタリングも大変ですが尿の中にどれぐらい糖分が含まれているか、体重の増減をみながら治療をしていきます。
今回ご紹介するのは、熱中症になってしまったコザクラインコさんのお話です。
熱中症は人間も含め身近にある病気の一つなので、どういう病気なのかご存知の方も多いと思います。人間や犬などでみられる熱中症とは異なり、鳥の場合は冬場や季節の変わり目、保温器具による過剰な室温の上昇が原因で発生することが多いように思います。
病気の鳥さんの場合も注意が必要で、保温した方が良いということをご存知のかたで過剰に保温しすぎて、病院までの移動中に熱中症になってしまうこともあります。
熱中症になった場合の症状としては、口を開けて呼吸したり、翼や足を広げて体温を下げようとしたりします。発見が遅れてしまうと、重度の脱水症状から虚脱、痙攣を起こし死亡してしまうこともあります。
今回のコザクラインコさんも、4月中旬の時期、予想に反して昼間に暖かくなったにも関わらず保温器具を使用したままの状態だったようです。帰宅してみてみると上記の様な症状がみられぐったりしていました。
早めの対応で事なきを得ることができました。
保温器具を使用される場合は、出来ればサーモスタットを併用された方が良いと思います。
今回ご紹介するのは、猫に襲われてしまったキンカチョウさんのお話です。
当院に来院される飼い主さんは2種類以上の動物を一緒に飼われているかたが比較的多いと思われます。基本的には異なる動物種はお互いに幼少期から一緒であれば順応して仲良く暮らす事ができる場合もありますが、片方が大きくなってからだとなかなか順応するのが難しいことが多いように思います。
特に問題となるのが、自然界での食物連鎖で上下関係にある場合です。
具体的には今回の「猫と鳥」のように、肉食動物と捕食される側である小動物の関係でトラブルがおこります。
猫の口の中や爪にはいろんなばい菌がいます。攻撃された時にその菌が傷口に入りますが、それが小さな動物の場合は致命傷になることもあります。
今回のキンカチョウという鳥は体重10g程度と、とても小さく猫に襲われたらひとたまりもないかもしれません。かろうじて致命傷を裂ける事ができたというところでしょうか。それでも、お腹から膝にかけて皮膚が裂けてしまいました。
裂けてしまった皮膚を縫合して、抗生剤を投与・・・出来る事はしました。この子の生命力にかけるしかありません。
今回ご紹介するのは、卵が二つ詰まってしまったセキセイインコさんのお話です。
鳥を飼われているかたはご存知の方も多いとは思いますが、雌の鳥は伴侶がいなくても無精卵を産む事があります。
そして、発情と産卵を繰り返すことで腹筋が裂けて内臓が出てきてしまう病気、「腹部ヘルニア」という病気があります。
これになってしまうと、お腹が膨れて来てしまいます。
それ以外に症状がないこともありますが、場合によっては致死的なイベントが起こる事もあります。
例えば、腸閉塞です。裂けた場所に腸管が落ち込んでしまいねじれてしまうと便が出なくなって急死することがあります。
また、今回のように卵管が落ち込んでしまうと卵管が蛇行したり折曲がったりしてスムーズに出産が行えず、卵詰まりになってしまうことがあります。
今回は無事に二個とも手術なしで摘出することができましたが、開腹手術をしなければならない場合もあります。
何度もお話してはおりますが、基本的には発情しないような飼育環境を整えてあげる事が大切なのかなと思います。(なかなか難しいですけどね・・)