

まさの森・動物病院
MASA-no-MORI Pet Clinic
-石川県金沢市の動物病院-
まさの森動物病院は、犬猫、エキゾチックアニマル診療・予約診療・往診を行う石川県金沢市の動物病院です。
診察は完全予約制です。ご来院前にお電話ください。
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今回ご紹介するのは、下顎が腫れてきたブルーイグアナさんのお話です。
爬虫類の診療となると、北陸三県を探してもみてくれる動物病院はなかったみたいで、隣の県から来院されました。
下顎が腫れてきており、食欲もなくなってしまいました。
触ってみると、やわらかく、何か液体が貯まっているような感じです。
押してみると、口の中から黄色い液体が漏れ出てきました・・・膿です。
口の中での感染が原因で下顎に膿が貯まって腫れていました。
膿の出口がなく腫れてしまっているので、出口を作ってあげます。
局所麻酔を打って、皮膚の一部を切開します。
さすがに、1mちかいサイズのトカゲとなると力もそれなりのものです。
タオルでくるんでから切開し、膿を全部洗い流します。
抗生剤を注射で打って、あとは内服で経過をみてみます。
ご飯も食べてくれるようになったので、これで一安心・・・飼育環境なども原因となることもあるので、再発予防にも今一度確認が必要です。
今回ご紹介するのは、お尻から赤黒いものが出ているカナヘビさんのお話です。
春の暖かい時期は、虫達も含めいろんな動物達が野原を闊歩する姿が散見されるようになります。カナヘビさんも身近でみられる、そういった動物達の一つです。
小さくて、動きも素早いので捕まえるのはなかなか大変です。
今回のカナヘビさん、お尻から小さい木の枝が出てきて、それを引っ張ったら写真のような赤黒いものが出てきたという事で来院されました。
これは、「総排泄腔脱」という病気なんですが、皆さんが聞いたことある病気としては脱腸のイメージでほぼ問題ないと思います。
いきんだり、繰り返しの下痢など、腹圧が過剰にかかってしまったときに起こる可能性があります。
内臓が反転してお尻から出てしまっているので、それを正常な位置に戻して、再脱出しないようにお尻の孔を一糸だけ縫合して様子をみます。
動く上に、これだけ小さいとなかなか大変ですが、局所麻酔だけで処置は終わりました。これで大丈夫そうです。
今回ご紹介するのは、目が開かないヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
視力が無くなると生きていくのにかなりの支障をきたす動物と、案外順応してしまう動物がいます。犬や猫なんかは目が見えなくなってもそれ以外が正常だとかなり順応して、普段の生活に支障のないレベルで生きていくことができます。それは嗅覚や聴覚などそれ以外の器官がかなり発達しており、視覚に依存する割合が少ないからかもしれません。
それに対して、今回のヒョウモントカゲモドキさんは視覚が奪われるとなかなか厳しいと思われます。目が悪くなると捕食しなくなることから、視覚に依存する割合が高いのかもしれません。(目を閉じているということはかなり状態が悪い事を意味する事が多い)
今回のヒョウモントカゲモドキさんは食欲や活動性の低下と、目が閉じていることが多いことを主訴に来院されました。実際にみてみると、目の中に何か白いものが沈殿していることが確認されました。
口の中も確認したところ、上顎に白い膿があちこちに付着しています。口腔内の感染症から眼球にも波及してしまったと考えられました。
爬虫類は口腔内の感染症(膿瘍)が多く、ストレスが原因で免疫力の低下が起こった結果としてみられる病気の一つとされています。そのストレスの原因の一つに飼育環境が背景にあるのかもしれません。
今回ご紹介するのは、ヘルマンリクガメさんのお腹の中の寄生虫のお話です。
今回もまた、健診つながりですが、爬虫類の便検査をすると寄生虫が検出されることがほとんどです。その理由としては、自然環境下で繁殖された個体や野生個体を採取され、その個体が一般的に流通しているからだと思われます。
爬虫類の便検査でこの寄生虫が確認されたとき、駆除するべきかどうか・・・とても悩ましいところです。
というのも、必ずしも害となるものではないからです。
なんらかのストレスがかかると免疫力が低下し、寄生虫との共生していたバランスが崩れ、病原性を発揮してしまう事があります。そういったことが起こってしまえば、駆除の対象になるのですが、症状がなければ様子を見てみるのも一つかもしれません。
ただ、飼育環境下では自然環境とはことなる様々な問題も起こります。
他の個体への感染や、小さなお子さんへの公衆衛生上の問題など駆除しておく方が無難な場合もあります。
なので、その辺りを飼い主さんと相談した上で治療の是非を検討しています。
今回ご紹介するのは、膀胱の中に石が出来てしまったケヅメリクガメさんのお話です。
ケヅメリクガメはアフリカ大陸に生息する大型のリクガメで、ガラパゴスゾウガメ、アリダブラゾウガメに次いで大きくなる種とされています。いしかわ動物園でもふれあいすることができると思います。
かなり乾燥した地域に生息する事もあり、水分摂取が不要(あまり水を飲まないので与えなくて良い)と思われているかたも多いようですが、実際には飼育環境下では水分摂取は必須だと思います。
水分をあまりとらないというのであれば、水分含有量が多いレタスやキュウリを食餌の中に加えるのもいいかもしれません。そればかりだと問題を起こす危険性があるので、あくまで、水分摂取という目的でですが。
今回のリクガメさんもお水を飲まずに普段過ごしていました。健康診断で来院されたときにレントゲン検査を実施したところ、膀胱内に石があるのが確認されたため、症状が出る前に外科的に摘出することになりました。
手術には麻酔のリスクが伴います。またお腹の甲羅を切断しなければならないため、侵襲性もそれなりに高いものとなります。なので、適切な飼育環境を整えて、病気の予防が一番大切だと思います。
今回ご紹介するのは、目の横が腫れてきてしまったヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
当院のFacebookにもちょくちょく出てくるので、ヒョウモントカゲモドキといっても何となくどんな動物か分かっておられる方も多いのではないでしょうか。
小型の爬虫類で一番人気なのが、このヒョウモントカゲモドキさんでしょうか。なんといっても丈夫で飼いやすく、カラーバリエーションも豊富。国内でも繁殖されているので、比較的容易に出逢う事ができる爬虫類です。爬虫類を飼いたい女子に人気だと思われます。
最初に飼う爬虫類としては、ハードルが低いのかなと思います。
そんなヒョウモントカゲモドキさんですが、あちこちの皮下組織で膿瘍を形成することがあります。原因はよくわかりませんが、なぜか細菌感染を起こしてしまいます。
おそらく、飼育環境の問題など何らかの免疫力が低下するようなストレスが背景にあるのかもしれません。
今回のヒョウモントカゲモドキさんも目の横が腫れてきたということで来院されました。急性で腫れてきたところから、腫瘍性の可能性は低く、検査の結果やはり「膿瘍」という細菌感染が原因でできる膿の塊でした。
膿を出して、抗生剤の注射と内服で経過をみて行きます。おそらくこれで大丈夫でしょう!
今回ご紹介するのは、ご飯を食べる事が出来なくなったカナヘビさんのお話です。
動画はこちら
日本全土に広く分布するトカゲの一種であるカナヘビさんは、生け垣や草むらで皆さんも一度は目にした事があるのではないでしょうか。体長20cm程度の比較的小型のトカゲさんです。
昼行性のトカゲさんなので昼間に活動しています。従って、紫外線がないとカルシウムの代謝に問題を起こしてしまい今回のような病気になってしまいます。
特に成長期に起こしてしまうと「くる病」という不可逆性(治療しても元には戻らない)の骨の変形が起こってしまいます。
今回のカナヘビさんもご家庭で産まれ育ち、この時期も冬眠させずに保温しながら飼育されていました。しかしながら、人工的な飼育下では紫外線の照射が必要である事をご存知なく、代謝性骨疾患になってしまいました。
口を上手く開く事ができず、餌を捕食することができなくなってしまいました。
代謝性骨疾患で下顎がゴムのように柔らかくふにゃふにゃになってしまったのが原因と考えられました。
適切な飼育環境を整え、お薬をのんで良くなってくれました!
今では、元気で自分でごはんをモリモリ食べる事ができるようになりました!!
今回ご紹介するのは、よだれが多いヘビさんのお話です。
「セイブシシバナヘビ」さんについて少し記載させていただきます。
セイブシシバナヘビは北米大陸に生息するヘビの一種で、チャーミングな顔(犬で言うとパグみたいな感じでしょうか)と体型から比較的人気にあるヘビさんの一種で、ブリーダーによって繁殖された個体が流通しています。
身の危険を感じると、口を開けて仰向けになる「擬死行動」をするらしいのですが、診察による身の危険を感じているにもかかわらず、いまだみた事はありません!
そんなセイブシシバナヘビさんですが、プスプスとなる呼吸とよだれを主訴に来院されました。
セイブシシバナヘビではよくわかりませんが、ボールパイソンなどでは呼吸器の感染症でみられる症状にとても良く似ています。ヘビの呼吸器感染症でもパラミクソウイルスやマイコプラズマの感染症がよく報告されていますが、もしかしたらその辺りの感染症かもしれません。
まずは、その辺りの治療を開始して経過をみてみましょう。