

まさの森・動物病院
MASA-no-MORI Pet Clinic
-石川県金沢市の動物病院-
まさの森動物病院は、犬猫、エキゾチックアニマル診療・予約診療・往診を行う石川県金沢市の動物病院です。
新型コロナウイルス感染症対策については下記の最新情報をご覧下さい。
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本日ご紹介するのは、膀胱に石が出来てしまった、グリーンイグアナさんです。 人間にも膀胱結石という病気がありますが、そのほとんどが「特発性」といいまして、原因がはっきりと特定できない膀胱結石だといわれています。 しかしながら、爬虫類の膀胱結石のほとんどは、蛋白含有量の高い食事や、飲水量不足など、飼育環境の問題で起こってしまうと考えられています。 膀胱結石は膀胱がそれ以上大きくなれない大きさにまでになったり、感染を起こしたりしない限りは無症状で経過をたどることが多いようです。 したがって、健康診断などで、偶然見つかることもしばしば。 今回のグリーンイグアナさんも、症状はなかったのですが、お腹にしこりがあったので、念のためレントゲンを撮ってみたら、膀胱結石が確認されました。 緊急性はなさそうだったので、飼い主さんと相談して、今後のことを考えたとき、手術で摘出する選択をされました。 術後の経過は良好で、その日のうちに退院!(日帰り手術) 1週間後の傷口の経過も問題なく、ご飯も食べて元気いっぱいのグリーンイグアナさんでした。
今回ご紹介しますのは、釣り針を飲み込んだミシシッピアカミミガメさんです。
昨日に引き続きみたいな症例ですが、今回のミシシッピアカミミガメさんは自然の中にいた亀さんで、釣り糸付きの針を飲み込んで、その糸が水辺に引っかかっていたそうです。
このミシシッピアカミミガメという亀は外来種でして、本来は日本には生息していません。飼いきれなくなっても、日本の川に放ってはいけません。この亀が生息するアメリカでは天敵であるワニがいます。そのお陰もあって生態系が保たれていますが、日本の川ではミシシッピアカミミガメが増えても減らしてくれる天敵がいません。基本的には自然界で食べられる側の動物は、食べられることを想定して恐るべき繁殖力をもっています。そういった亀が日本の川に放たれるとどうなるか、想像に難くないと思います。
今回のケースでは釣りをする方のモラルの問題もあるのかもしれませんが、まずは最後まできちんと飼うことができるのかどうか、よく考えてお迎えする必要があるように思います。
本日ご紹介するのは、甲羅が割れてしまったミシシッピアカミミガメさんのお話です。
陸ガメ、水棲ガメ問わず、甲羅が割れてしまうのは一大事です。
なぜなら、甲羅は哺乳類でいう、背骨や胸骨や肋骨が形を変えたものだからです。
甲羅にも名前がついていまして、背中(背骨)に該当する甲羅を「背甲」、お腹や胸に該当する甲羅を「腹甲」と呼びます。
甲羅が割れた時、特に重症となるのは背甲が割れてしまった場合です。損傷の具合にもよりますが、現状ではほとんどのケースでは亡くなってしまいます。
今回の症例では、腹甲の頭側の甲羅が横に割れしまいました。
レントゲン検査をした結果、それ以外に大きな問題はなさそうなので、そのまま甲羅を固定して経過をみたところ、1ヶ月後には問題なく、綺麗にくっついてくれました。
甲羅を固定したものを外す時には元気に水中で暴れていました!
本日ご紹介するのは、お尻がパンパンに腫れているということで来院されたヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
ヒョウモントカゲモドキは小型のトカゲで比較的大人しく、ハンドリングも可能で丈夫なことから、もっとも人気がある種の一つとなっております。
トカゲなどの爬虫類ではお尻の穴が一つしかなく総排泄孔(うんちもおしっこも出てきます)と言います。みんなにもわかりやすい表現としてお尻と表現しますが、正確にはお尻ではありません。
また、オスではその穴から尻尾にむかってヘミペニスがあります。
従って、オスのトカゲでお尻が腫れているといった主訴で来院された場合はその周辺の臓器のトラブルの有無を確認していきます。
今回は、写真のようにお尻の穴より尻尾側が大きく腫れているのでヘミペニスに問題があるようです。こういったケースで多いのはそこから分泌された分泌液や感染による膿瘍などが固まって栓ができてしまうヘミペニスプラグが疑われます。
大抵は摘出して終わります。
これだけ大きく腫れていると、腫瘍とか、悪いものを想定して来院されることもありますが、今回も大丈夫でした。
今回ご紹介するのは、卵が詰まって手術になってしまったクサガメさんのお話です。
前回のコキンチョウの場合もそうですが、卵を産む動物は状況によっては詰まってしまうことがあります。人間の場合はこれを難産と言いますが、鳥類、爬虫類でも同様です。このまま放置すると急変することがあるので、状況によりますが、早急に対処が必要になることが多いです。
カメさんの難産の場合は、人間で言う陣痛促進剤みたいなものを投与することが多いです。それによって卵が産まれることもありますが、残念ながらそれでもダメな場合は手術となってしまいます。
これまでは甲羅を切る手術が一般的でしたが、甲羅を切らなくてもお腹の中にアプローチできる、侵襲性が低い手術が普及してきました。
これまでの甲羅を切る手術と比較して、手術時間も短縮できて、かつ、術後の回復も早くメリットも多いようです。ただ、手術中の視野が狭いので、大出血となった時はリスクもあります。
なので、術式は症例によって使い分ける必要があるかもしれません。
今回ご紹介するのは、口の中にできものが出来てしまったフトアゴヒゲトカゲさんのお話です。
子供から大人、女性にまで人気のあるフトアゴヒゲトカゲさん。日本でもペットとしての地位を確立して来ました。オーストラリアに生息するトカゲさんですが、現地からの輸入は禁止されているので、国内にいる個体は全て繁殖個体となります。それゆえに、野生個体で見られる感染症も少なく、人にも慣れやすくなっています。寿命も犬や猫と同じぐらい、10年以上生きる個体もいます。
そんな背景もあって、飼育個体が増えてきているせいか、それに伴って色々な病気で来院されるケースが増えてきました。
今回のフトアゴヒゲトカゲさんは口の中にできものが出来て、食欲が低下して来たということで来院されました。見て見ると、口の中、下顎の先端に3cmぐらいの腫瘤が確認されました。細胞診という顕微鏡で細胞の形態をみる検査をしたところ、「カビ」が検出されました。
カビが感染すると、腫瘍のようにボコボコしたものができることがあります。
確定診断と治療を目的にできるだけ腫瘤を切除したのち、抗真菌剤の内服をお願いしました。
術後の経過は良好で、できものはなくなりほぼ正常な状態になりました!
今回ご紹介するのは、腹部にしこりが出来て食欲が低下してきたローソンアゴヒゲトカゲさんのお話です。
ローソンアゴヒゲトカゲさんは、フトアゴヒゲトカゲさんを10分の1ぐらいに小さくしたようなトカゲさんです。性格も温厚で、そこまで厳しい飼育条件ではないので、初めて飼うトカゲには最適かもしれません。
ご飯をあまり食べない、元気がないということで来院されたローソンアゴヒゲトカゲさんですが、レントゲン検査やエコー検査の結果、お腹の中に卵の様なものが・・・正常ではみられない構造物があることが判明しました。
おそらく、それが悪さをしている原因だと推測されたので、全身麻酔で開腹手術を行うことになりました。
お腹を開けてみてみると、過去に作られた「たまご」がお腹の中で腐って炎症を起こしていたのです。腐った卵と組織を取り除き、再発予防のために卵巣を摘出しました。
お腹を縫合して、手術は無事に終わりました。
暫くして、麻酔から覚めてきました。状態があまり良くない中での手術だったため、術後はやはりとてもしんどそうです。
今回ご紹介するのは、3ヶ月以上にも渡って原因不明の食欲不振が見られたヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
北陸三県では爬虫類を診療してくれる動物病院が少ないのが現状です。
今回のヒョウモントカゲモドキさんもそんな中、他県にも関わらず当院を見つけてくれて来院されました。
他病院で3ヶ月にもわたって色々と検査なり治療をしてもらったものの原因がわからず、食欲も元気もなくなってきたとのことでした。
超音波検査をしたところ、卵の元になるものが確認されたため、カルシウム注射など内科的治療をしてみて、改善がなければ開腹手術・・・ということで経過をみました。しかしながら、改善がなく手術をすることになってしまいました。
お腹を開けると、大きく腫れた卵胞(卵巣にできた卵の元になるもの)が左右に充満していました。おそらく、これが原因で胃や腸に食べ物が入るのを邪魔していたと推測されました。
左右の卵巣と卵胞を切除して手術は無事終了。二日後には、今まで何も口にしなかったのが嘘のように、食欲が改善してご飯を食べてくれるようになりました!
最後まで諦めなかった飼い主さんの想いが実を結んだんだと思います。
今回ご紹介するのは、元気なく動かなくなってしまったエボシカメレオンさんのお話です。
カメレオンは爬虫類の仲間ですが、同じ爬虫類であるカメやヘビなどと比較するとやや飼育難易度が高く、飼育環境の問題で病気になってしまうことが多いようです。
そんなカメレオンの中でも入門種として比較的飼育しやすいのが今回のエボシカメレオンという品種です。名前のごとく、「烏帽子」をかぶったような頭部が特徴です。メスと比較するとオスの方が立派な烏帽子をかぶっています。
さて、動物種は異なるものの、またしても卵が詰まってしまうお話になってしまいましたが、前々回のアオメキバタンの卵詰まりとは異なり今回の卵詰まりの原因は飼育環境にあると思われます。
具体的にはカルシウムの摂取不足と紫外線不足が原因による低カルシウムが背景にありそうです。カルシウムは卵の殻の材料であるとともに、卵管にある卵を押し出す役割もあるので、これが不足すると「いきむ」ことが出来ずに難産になってしまいます。
そんなわけで、手術となってしまいました・・・。
手術は無事、終わりました。あとは回復を待つばかりです。
今回ご紹介するのは、お腹がポンポンに腫れてしまったヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
お腹がポンポンに腫れてしまうことを「腹部膨満」と言います。
食べ過ぎ、肥満など病気とも言い難い状態でもこう表現しますし、前回の内容のように卵が詰まっていたり(妊娠も同様)、今回のように食べたものが詰まってしまっても腹部膨満と言います。他にも腹水といってお腹に水が溜まっていたり、腫瘍がお腹の中にあったりでも見られるので、その辺りをいろんな検査で調べないとわかりません。
フードを食べ過ぎて詰まってしまうということは一般的にはありませんが、爬虫類に関しては、稀ですが消化管内に多数の寄生虫がいたりするとそれが絡まって腸閉塞を起こしてしまうことがあります。(爬虫類では消化管内に寄生虫がいない方が稀かもしれません)
そんなわけで、手術となってしまいました・・・。
手術は無事、終わりました。あとは回復を待つばかりです。
今回ご紹介するのは、目が開かないヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
視力が無くなると生きていくのにかなりの支障をきたす動物と、案外順応してしまう動物がいます。犬や猫なんかは目が見えなくなってもそれ以外が正常だとかなり順応して、普段の生活に支障のないレベルで生きていくことができます。それは嗅覚や聴覚などそれ以外の器官がかなり発達しており、視覚に依存する割合が少ないからかもしれません。
それに対して、今回のヒョウモントカゲモドキさんは視覚が奪われるとなかなか厳しいと思われます。目が悪くなると捕食しなくなることから、視覚に依存する割合が高いのかもしれません。(目を閉じているということはかなり状態が悪い事を意味する事が多い)
今回のヒョウモントカゲモドキさんは食欲や活動性の低下と、目が閉じていることが多いことを主訴に来院されました。実際にみてみると、目の中に何か白いものが沈殿していることが確認されました。
口の中も確認したところ、上顎に白い膿があちこちに付着しています。口腔内の感染症から眼球にも波及してしまったと考えられました。
爬虫類は口腔内の感染症(膿瘍)が多く、ストレスが原因で免疫力の低下が起こった結果としてみられる病気の一つとされています。そのストレスの原因の一つに飼育環境が背景にあるのかもしれません。
今回ご紹介するのは、ヘルマンリクガメさんのお腹の中の寄生虫のお話です。
今回もまた、健診つながりですが、爬虫類の便検査をすると寄生虫が検出されることがほとんどです。その理由としては、自然環境下で繁殖された個体や野生個体を採取され、その個体が一般的に流通しているからだと思われます。
爬虫類の便検査でこの寄生虫が確認されたとき、駆除するべきかどうか・・・とても悩ましいところです。
というのも、必ずしも害となるものではないからです。
なんらかのストレスがかかると免疫力が低下し、寄生虫との共生していたバランスが崩れ、病原性を発揮してしまう事があります。そういったことが起こってしまえば、駆除の対象になるのですが、症状がなければ様子を見てみるのも一つかもしれません。
ただ、飼育環境下では自然環境とはことなる様々な問題も起こります。
他の個体への感染や、小さなお子さんへの公衆衛生上の問題など駆除しておく方が無難な場合もあります。
なので、その辺りを飼い主さんと相談した上で治療の是非を検討しています。
今回ご紹介するのは、膀胱の中に石が出来てしまったケヅメリクガメさんのお話です。
ケヅメリクガメはアフリカ大陸に生息する大型のリクガメで、ガラパゴスゾウガメ、アリダブラゾウガメに次いで大きくなる種とされています。いしかわ動物園でもふれあいすることができると思います。
かなり乾燥した地域に生息する事もあり、水分摂取が不要(あまり水を飲まないので与えなくて良い)と思われているかたも多いようですが、実際には飼育環境下では水分摂取は必須だと思います。
水分をあまりとらないというのであれば、水分含有量が多いレタスやキュウリを食餌の中に加えるのもいいかもしれません。そればかりだと問題を起こす危険性があるので、あくまで、水分摂取という目的でですが。
今回のリクガメさんもお水を飲まずに普段過ごしていました。健康診断で来院されたときにレントゲン検査を実施したところ、膀胱内に石があるのが確認されたため、症状が出る前に外科的に摘出することになりました。
手術には麻酔のリスクが伴います。またお腹の甲羅を切断しなければならないため、侵襲性もそれなりに高いものとなります。なので、適切な飼育環境を整えて、病気の予防が一番大切だと思います。
今回ご紹介するのは、目の横が腫れてきてしまったヒョウモントカゲモドキさんのお話です。
当院のFacebookにもちょくちょく出てくるので、ヒョウモントカゲモドキといっても何となくどんな動物か分かっておられる方も多いのではないでしょうか。
小型の爬虫類で一番人気なのが、このヒョウモントカゲモドキさんでしょうか。なんといっても丈夫で飼いやすく、カラーバリエーションも豊富。国内でも繁殖されているので、比較的容易に出逢う事ができる爬虫類です。爬虫類を飼いたい女子に人気だと思われます。
最初に飼う爬虫類としては、ハードルが低いのかなと思います。
そんなヒョウモントカゲモドキさんですが、あちこちの皮下組織で膿瘍を形成することがあります。原因はよくわかりませんが、なぜか細菌感染を起こしてしまいます。
おそらく、飼育環境の問題など何らかの免疫力が低下するようなストレスが背景にあるのかもしれません。
今回のヒョウモントカゲモドキさんも目の横が腫れてきたということで来院されました。急性で腫れてきたところから、腫瘍性の可能性は低く、検査の結果やはり「膿瘍」という細菌感染が原因でできる膿の塊でした。
膿を出して、抗生剤の注射と内服で経過をみて行きます。おそらくこれで大丈夫でしょう!
今回ご紹介するのは、ご飯を食べる事が出来なくなったカナヘビさんのお話です。
動画はこちら
日本全土に広く分布するトカゲの一種であるカナヘビさんは、生け垣や草むらで皆さんも一度は目にした事があるのではないでしょうか。体長20cm程度の比較的小型のトカゲさんです。
昼行性のトカゲさんなので昼間に活動しています。従って、紫外線がないとカルシウムの代謝に問題を起こしてしまい今回のような病気になってしまいます。
特に成長期に起こしてしまうと「くる病」という不可逆性(治療しても元には戻らない)の骨の変形が起こってしまいます。
今回のカナヘビさんもご家庭で産まれ育ち、この時期も冬眠させずに保温しながら飼育されていました。しかしながら、人工的な飼育下では紫外線の照射が必要である事をご存知なく、代謝性骨疾患になってしまいました。
口を上手く開く事ができず、餌を捕食することができなくなってしまいました。
代謝性骨疾患で下顎がゴムのように柔らかくふにゃふにゃになってしまったのが原因と考えられました。
適切な飼育環境を整え、お薬をのんで良くなってくれました!
今では、元気で自分でごはんをモリモリ食べる事ができるようになりました!!
今回ご紹介するのは、よだれが多いヘビさんのお話です。
「セイブシシバナヘビ」さんについて少し記載させていただきます。
セイブシシバナヘビは北米大陸に生息するヘビの一種で、チャーミングな顔(犬で言うとパグみたいな感じでしょうか)と体型から比較的人気にあるヘビさんの一種で、ブリーダーによって繁殖された個体が流通しています。
身の危険を感じると、口を開けて仰向けになる「擬死行動」をするらしいのですが、診察による身の危険を感じているにもかかわらず、いまだみた事はありません!
そんなセイブシシバナヘビさんですが、プスプスとなる呼吸とよだれを主訴に来院されました。
セイブシシバナヘビではよくわかりませんが、ボールパイソンなどでは呼吸器の感染症でみられる症状にとても良く似ています。ヘビの呼吸器感染症でもパラミクソウイルスやマイコプラズマの感染症がよく報告されていますが、もしかしたらその辺りの感染症かもしれません。
まずは、その辺りの治療を開始して経過をみてみましょう。