症例紹介

Case introduction
症例紹介の写真

肺炎


肺炎の症状

先日グリーンイグアナさんが来院されました。

1週間ほど前に飼育ケースから脱走して、約1日、行方不明になっていたそうです。 発見してからは、いつもの暖かなお部屋に戻っていたのですが、段々と食欲が低下し、お腹もポンポコリンになってきたとのことで来院されました。

グリーンイグアナは美しい体色を持つ動物ですが、体調を崩してからは褪せた色に変化してしまったそうです(写真左が初診時)。 異物を食べた可能性も考えられましたし、そうじゃなくても寒いところで一晩過ごしたことから体力も消耗しているはずです。 経緯及び状態から、緊急性が高い症例といえるので、すぐにレントゲン検査を実施しました。

肺炎の症状

検査の結果、異物を食べた可能性は低かったものの、肺炎をおこしていることが判明しました。 左右の肺を比較すると、赤丸で囲んだ所がモヤモヤと白いのが分かります。 (肺は空気を多く含む臓器なので、正常ならレントゲンでは黒く映ります) 肺炎は亡くなる危険性の高い病気の一つです。入院による集中治療も検討しましたが、入院によるストレスや飼い主さんの飼育経験から自宅での治療を頑張ってもらうことになりました。 また、食欲の低下も顕著だったため、今回はいくつかお薬を合わせた皮下点滴注射をしました。

グリーンイグアナさんの体調不良について、原因と治療方針を話し合い、飼い主さんは少し安心して帰っていかれましたように見えました。 爬虫類を診てくれる病院が少ないため、きっと、異変に気づいてから少しずつ弱っていく姿をみて、一人で不安な夜を過ごされたのではないかと思います。

遠方にお住まいの飼い主さんは、翌日Facebookを通じて「徐々に快方へと向かっている」とのご報告をくれました。

それから約2週間・・・元気になっているか気になる日々でした。

肺炎の状態を確認するため再度レントゲン検査をしました。 すると、以前の白いモヤモヤがすっきりと消え、正常な肺に回復していました。(レントゲン写真右)

今では食欲も回復し、出るものもちゃんとでているようです。 ガスがたまりポンポンだったお腹はすっきりとし、体色は目の覚めるような鮮やかなグリーンになりました。 爬虫類や鳥類は本当に発色が美しいですね!

飼い主さんの懸命なお世話が功を奏したのでしょう。爬虫類を含むエキゾチックアニマルでは発見が遅れて亡くなってしまうことも多い中、この短期間で見事に完治していました。 最初に来られた時とは違い、レントゲン検査で元気に暴れるグリーンイグアナさん、レントゲン検査でいい検査結果を聞いて喜んでくれた飼い主さん・・・「元気になってくれてありがとう」、そういいたくなる症例でした。

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