症例紹介

Case introduction
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クリプトスポリジウム症


今回ご紹介するのは、ガリガリに痩せてしまったヒョウモントカゲモドキさんのお話です。

ヒョウモントカゲモドキは僕らと異なり、長期間ご飯を食べなくても生きていけるような生理学的特徴を備えています。その一つが栄養分を尻尾に蓄えておけるというものです。健康状態がいいヒョウモントカゲモドキさんは全体的にふっくらしているだけでなく、しっぽがポンポンに膨らんでいます。

したがって、栄養状態が悪い場合や、何か病気が背景にあってご飯を食べる事ができなくなっている場合は、体重の減少に伴い、しっぽがしぼんでいってしまいます。

かなり顕著にしっぽがしぼんでしまう場合、今回のクリプトスポリジウムという寄生虫感染症が疑われます。この寄生虫に感染してしまうと、徐々に体重が減少し食欲も低下して行きます。便も少量になり、下痢をするようになってしまいます。

治療法はあるものの、寄生虫の完全駆除は現状では困難だと言われています。投薬を続けていれば、元気も食欲も改善し、体重も増えていきますが、投薬をストップするとまた再発してしまいます。

周りのヒョウモントカゲモドキにも感染してしまいますので、他個体へ感染させないように注意が必要です。

クリプトスポリジウム症の症状

徐々に体重と食欲が低下していったヒョウモントカゲモドキさん。背骨がみえるぐらい痩せてしまいました。本来は栄養を蓄えて丸々しているしっぽが細くなっています。

クリプトスポリジウム症の症状

下痢を伴う便を少量していました。便検査をしてみましょう。

クリプトスポリジウム症の症状

便検査をするとクリプトスポリジウムという寄生虫のオーシストが確認されました。完全駆虫が困難で投薬を続けながら付き合って行くことになります。

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